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法務の窓 改正信託法

2007.5.25発行 No.7
改正信託法条文ポイント解説[第4章 受益者等 その2、第5章 委託者]
本号では、前号に引き続き受益者等と委託者についての解説をしていきます。

〜前号(NO.6)〜
1.受益者の権利の取得及び行使(88〜92条)
2.受益権等(93〜104条)
3.二人以上の受益者による意思決定の方法の特例(105〜122条)

4.信託管理人(123条〜130条)

(1)意義
 信託管理人とは、将来生まれてくる子供やあるコンテストの優秀者を受益者とする場合等、現状で受益者として権利を行使するものがいないときに、受託者の監督を行い、信託に必要な意思決定を行う者をいいます。
(2)選任方法
 信託管理人は、信託契約、遺言等の信託行為によって定めることができます。
 信託行為に定めがない場合や指定された者が就任を承諾しない場合、利害関係人は、裁判所に信託管理人の選任を申し立てることができます。
(3)資格
 以下の者は、信託管理人にはなることができません。
  1. 未成年者、成年被後見人、被保佐人
  2. 当該信託の受託者
(4)義務
 信託管理人は、善良な管理者の注意をもって、受益者のために、誠実かつ公平にその権限を行使しなければなりません。
(5)費用・報酬
 信託管理人は、その事務処理に要する費用を受託者に請求することができます。 信託管理人は原則として無報酬ですが、「業」として行う場合や信託行為に報酬の定めがある場合には受託者に報酬を請求することができます。
(6)任務の終了  信託管理人の任務は、以下の場合に終了します。
  1. 信託の清算結了
  2. 信託管理人の死亡、後見・保佐開始
  3. 信託管理人の破産手続開始決定
  4. 信託管理人の解散(合併以外)
  5. 信託管理人の辞任、解任
  6. 受益者の出現
  7. 委託者による信託管理人に対する事務処理終了の意思表示
  8. その他信託行為によって定めた事由
(7)新任者への引継ぎ
 信託管理人の任務が終了した場合、委託者は、新信託管理人を選任することができます。
 新信託管理人選任について、選任の経緯その他の事情に照らして必要がある場合、利害関係人は裁判所に新信託管理人の選任を申し立てることができます。
 新信託管理人が就任した場合、旧信託管理人は、遅滞なく必要な事務の引継ぎをしなければなりません。

5.信託監督人(131条〜137条)

(1)意義
 信託監督人とは、受益者が未成年者や高齢者等で受託者を十分に監視・監督することが困難な場合に、受益者に代わって受託者の監視・監督する者をいいます。
(2)選任方法
 信託管理人と同様です。
(3)資格
 信託管理人と同様です。
(4)義務
 信託管理人と同様です。
(5)費用・報酬
 信託管理人と同様です。
(6)任務の終了
 信託監督人の任務は、以下の場合に終了します。
  1. 信託の清算結了
  2. 信託管理人の死亡、後見・保佐開始
  3. 信託管理人の破産手続開始の決定
  4. 信託管理人の解散(合併以外)
  5. 信託管理人の辞任、解任
  6. その他信託行為によって定めた事由
(7)新任者への引継ぎ
 信託管理人と同様です。

6.受益者代理人(138条〜144条)

(1)意義
 受益者代理人とは、多数の受益者がいて事実上受益者による受託者の監督や受益者の意思決定が困難な場合等に選任される者をいいます。
 なお、受益者代理人が選任された場合、受益者は、信託の監視・監督や信託行為に定めた権利を除き、その権利を行使することはできません。
(2)選任方法
 受益者代理人は、信託契約、遺言等の信託行為によって定めることができます。
 信託管理人や信託監督人と異なり、裁判所が受益者代理人を選任することはありません。
(3)資格
 信託管理人、信託監督人と同様です。
(4)義務
 信託管理人、信託監督人と同様です。
(5)費用・報酬
 信託管理人、信託監督人と同様です。
(6)任務の終了
 受益者代理人の任務は、以下の場合に終了します。
  1. 信託の清算結了
  2. 受益者代理人の死亡、後見・保佐開始
  3. 受益者代理人の破産手続開始の決定
  4. 受益者代理人の解散(合併以外)
  5. 受益者代理人の辞任、解任
  6. 委託者と受益者による受益者代理人の事務処理終了の合意
  7. その他信託行為に定めた事由
(7)新任者への引継ぎ
 信託管理人、信託監督人と同様です。

〜 第5章 委託者 〜

1.委託者の権利等(145条)

 改正信託法では、信託成立後は、委託者は信託目的達成についてのみ特別の利害を有し、その権利を監督的機能に限定しています。
 ただし、信託行為により、法律上認められた委託者の権利の全部又は一部を有しないとすることもできます。
 一方、信託行為に、受益者が行使すべき権利を委託者が併存的に行使する旨、受託者に受益者に通知・報告すべき事項を委託者にも通知・報告すべき旨を定め、委託者の権利を強化することもできます。

2.委託者の地位の移転(146条)

 委託者の地位は、受託者及び受益者の同意を得て、または信託行為において定めた方法に従い、第三者に移転することができます。

3.委託者の地位の相続(147条)

 遺言信託がなされた場合、信託行為に別段の定めがない限り、受益者と遺言者の相続人が利害対立する場合があることから委託者の地位はその相続人に承継されません。
 一方、遺言信託を除く信託については、委託者の地位はその相続人に承継されると解されます。
(文責 滝澤律雄)
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金融庁、「信託法及び信託法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律の施行に伴う金融庁関係政令等の整備に関する政令(案)」及び「信託業法施行規則等の一部を改正する内閣府令等(案)」に対するパブリックコメントの結果について公表(保険業法施行規則第19条の4等関連)
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