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法務の窓 改正信託法

2007.4.13発行 No.2
『改正信託法』の概要

1.信託とは?

 信託とは、一般的には「他人を信頼してあることを委託すること」とされますが、法律的には財産管理制度の1つとして、ある人(委託者)が信託行為(信託契約)によって信頼できる人(受託者)に対して財産を移転し、一定の目的(信託目的)にそって誰か(受益者)のためにその財産(信託財産)を管理・処分する法律関係ということになります。
講学上は、債権的契約と位置づけるという考え方やあたかも法人等のように信託自体を1つの主体としてとらえるという考え方もあります(信託の基本構造の解釈については、債権説や実質的法主体性説などといったように、いくつかの学説があります。)。

2.新しい信託法の制定

 近年、投資信託その他の金融商品での活用に加え、高齢者等の財産管理、不動産等の各種資産の流動化・証券化、知的財産の信託、敵対的買収から企業を防衛するための手段としての利用など法的な権利主体と実質的な利益主体を分離できる信託の特徴や信託の倒産隔離機能に着目した様々な活用例が急速に普及し、信託の社会的、経済的重要性は飛躍的な高まりを見せています。
 現行の信託法は、大正11年(1922年)に制定されて以来、80年以上にわたり、実質的な改正がなされないまま現在に至っており、最近の信託をめぐる実務の発展にそぐわない法律になりつつありました。
 『改正信託法』は、このような背景をふまえ、現行の信託法を全面的に改正し、現代社会に広く定着しつつある信託について、社会・経済情勢の変化に的確に対応する観点から、規制の緩和とルールの明確化を図っています。
 そのようなことから改正事項は多岐にわたりますが、概要としては、以下のとおりです。
 (1) 受託者の義務内容の合理化を含めた私的自治の範囲の拡大
 (2) 受益者の権利行使の実効性の強化
 (3) 多様な利用ニーズに応えるための新たな信託類型の創設

次回からは、『改正信託法』について条文の順序にそって解説していきます。

3.書籍の紹介

 現在発刊されている改正信託法に関する書籍を参考としてご紹介いたします。

「解説 新信託法」 弘文堂 寺本振透編集
「新しい信託法解説」 三省堂 小野 傑・ 深山雅也編集
「詳解新信託法」 清文社 福田政之・池袋真実・大矢一郎・月岡崇著
「信託の会計と税務」 税務経理協会 鯖田豊則著
(文責 浅野繁)


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