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法務の窓 一般社団・財団法人制度の解説

2008.1.11発行 No.9
一般社団・財団法人制度の解説 8
[社団法人における会計監査人]

 本号では、「社団法人における会計監査人」について解説していきます。

1.意義

 現行の社団法人では、会計監査人の設置は認められておりませんでしたが、新しい一般社団法人では、会計監査人の設置が認められることとなりました。会計監査人は、会計の専門家として一般社団法人の計算書類およびその附属明細書を監査し、会計監査報告を作成します。会計監査人は、公認会計士もしくは監査法人でなくてはなりません。


2.株式会社との比較

(1)権限
 会計監査人は、その職務を遂行するため、いつでも会計帳簿の閲覧および謄写をし、または理事および使用人に対し、会計に関する報告を求めることができます。必要があるときは、一般社団法人の子法人に対して会計に関する報告を求め、または一般社団法人もしくはその子法人の業務および財産状況の調査をすることもできます。
 また、会計監査人は、理事の職務執行に関し不正の行為または法令もしくは定款に違反する重大な事実があることを発見したときは、遅滞なく監事に報告する必要があります。
 さらに、一般社団法人の計算書類およびその附属明細書が、法令または定款に適合するかどうかについて、会計監査人と監事との意見が異なるときは、定時社員総会に出席して意見を述べることができます。また、定時社員総会において会計監査人の出席を求める決議があったときは、定時社員総会に出席して意見を述べなくてはなりません。
 これらは、いずれも株式会社における会計監査人の権限と同様です。

(2)設置義務
 原則として、一般社団法人に会計監査人を設置することは義務付けられておりませんが、最終事業年度における貸借対照表の負債の部に計上した額の合計が200億円以上の一般社団法人では、会計監査人の設置が義務付けられております。
 株式会社の場合、資本金が5億円以上であっても会計監査人の設置が義務付けられますが、一般社団法人には、資本金という概念がないため、この規定はありません。
 会計監査人を設置する場合は、設置義務の有無にかかわらず、会計監査人を設置する旨を定款で定めなければなりません。また、会計監査人を設置すると、監事の設置も必要となります。これらの点については、株式会社と同様です。

(3)選任および任期
 会計監査人は、社員総会において選任されます。
 任期は、選任後1年以内に終了する事業年度のうち、最終のものに関する定時社員総会終結の時までとなっております。任期満了時の定時社員総会において、別段の決議がなされなかったときは、再任されたものとみなされます。
 これらは、いずれも株式会社における会計監査人の選任・任期と同様です。

(4)登記
 会計監査人に関する事項は登記事項となりましたので、会計監査人を設置する場合は、設置する旨およびその氏名または名称を登記しなければなりません。この点についても、株式会社と同様です。


3.関連条文

(1)一般社団法人及び一般財団法人に関する法律
60条(社員総会以外の機関の設置)、61条(監事の設置義務)、62条(会計監査人の設置義務)、63条(選任)、68条(会計監査人の資格等)、69条(会計監査人の任期)、70条(解任)、71条(監事による会計監査人の解任)、107条(会計監査人の権限等)、108条(監事に対する報告)、109条(定時社員総会における会計監査人の意見の陳述)、301条(一般社団法人の設立の登記)

(2)民法
326条(株主総会以外の機関の設置)、327条(取締役会等の設置義務等)、
328条(大会社における監査役会等の設置義務)、329条(選任)、337条(会計監査人の資格等)、338条(会計監査人の任期)、339条(解任)、340条(監査役等による会計監査人の解任)、396条(会計監査人の権限等)、397条(監査役に対する報告)、
398条(定時株主総会における会計監査人の意見の陳述)、911条(株式会社の設立の登記)

(文責 飯島 義隆)


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