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本号では、「社団法人の監事の変更点」について解説していきます。
1.意義
監事とは、理事の職務の執行を監査する役員です。
現行の社団法人の監事については、その設置の有無や権限などに関して明らかではない部分もあったため、新法では、次のとおり、これらを明確に規定することにしました。
2.現行法と新法の比較
(1)権限
現行法では、監事の権限として、理事の業務執行や財産の状況を監査し、違法・不当な事実を発見したときは、これを総会または主務官庁に報告し、さらに報告のために総会を招集することが認められています。
新法では、監事の権限をさらに明確化したうえで強化する規定が置かれました。監事は、当該法人のほか子法人(当該法人がその経営を支配していると法務省令で定められた法人)に対しても業務や財産の状況を調査できる権限が与えられました。また、理事会の設置が明文で規定されたことに伴い、理事会への出席義務・報告義務も明確にされました。さらに、理事による不
正行為の差止を請求する権限が監事に与えられたほか、法人と理事との間における訴訟については、監事が法人を代表する権限も付与されました。
(2)設置義務
現行法では、監事は任意的な機関であり、法令上は必ずしも監事を設置する必要はありません。ただし、設立許可の審査基準として、監事を設置することが事実上義務付けられています。
新法では、監事を設置する基準を明確にしました。すなわち、原則として、一般社団法人に監事を置くことは義務付けられていませんが、理事会を設置する場合は、理事会による業務執行を監査するため、監事1人以上を置かなければならないと規定されています。また会計監査人を設置する場合は、会計監査の独立性を強化するため、監事の設置が同様に必要となります。なお、監事を設置するためには、設置義務の有無にかかわらず、監事を設置する旨を定款で定めなければなりません。
(3)選任および任期
現行法では、監事の選任や任期に関して明確な規定がありません。設立許可の審査を通じて、監事の選任方法や任期について、定款で定めることが求められる取り扱いです。
新法では、監事は社員総会において選任されることが明確にされました。また、任期は、選任後4年内に終了する事業年度のうち、最終のものに関する定時社員総会終結の時までを原則とすることが規定されました。なお、定款で定めることにより、2年内に終了する事業年度のうち、最終のものに関する定時社員総会終結の時までを限度として短縮することができます。
(4)登記
現行の社団法人の登記では、監事に関する情報は記載されません。しかし、上記のとおり、新法では監事の権限が明確化され、さらに強化されたことから、これを公示する必要性が高まりました。そこで、監事を設置する旨と監事の氏名については、登記すべき事項となりました。
3.関連条文
(1)一般社団法人及び一般財団法人に関する法律
60条(社員総会以外の機関の設置)、61条(監事の設置義務)、63条(選任)、
67条(監事の任期)、99条(監事の権限)、100条(理事への報告義務)、
101条(理事会への出席義務等)、102条(社員総会に対する報告義務)、
103条(監事による理事の行為の差止め)、104条(監事設置一般社団法人と理事との間における法人の代表)、301条(一般社団法人の設立の登記)
(2)民法
58条(監事)、59条(監事の職務)
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