|
本号では、「一般財団法人の評議員会」について解説していきます。
1.意義
前号でも述べたように、一般財団法人には一般社団法人の社員総会のような意思決定機関がないため、法人の業務執行の決定は、全面的に理事(理事会)に委ねられています。
そこで、法人の基本的事項を決定する議決機関として、かつ、理事(理事会)および監事の監督機関として創設されたのが評議員会です。
(1)評議員会の権限
評議員会は、法律に規定する事項および定款で定めた事項に限り、決議をすることができます。評議員会の決議事項を限定したのは、一般財団法人では、理事会が必置機関であり、評議員会と理事会との権限分配を明確にする趣旨です。
(2)評議員会の決議
- 通常決議
通常決議は、議決に加わることができる評議員(決議について特別の利害関係を有しない評議員)の過半数が出席し、その過半数をもって行われます。定足数および議決要件については、いずれも定款で加重することができます。
- 特別決議
特別決議は、議決に加わることができる評議員の3分の2以上に当たる多数をもって行われます。
特別決議が必要な事項としては、監事の解任、役員の責任の一部免除、定款の変更、事業の全部譲渡、解散した一般財団法人の継続および合併契約の承認の決議です。「議決に加わることができる評議員の3分の2」の要件は、定款で加重することができます。
2.現行法と新法の比較
現行法上の「評議員会」は、「公益法人の設立許可及び指導監督基準」に基づき、個々の法人が寄附行為の定めによって設置している任意の機関で、新法上の「評議員会」とは、その位置づけや権限および運営に関する規律の面で大きく異なります。
3.関連条文
一般社団法人及び一般財団法人に関する法律
170条(機関の設置)、176条(理事、監事または会計監査人の解任)、 178条(評議員会の権限等)、189条(評議員会の決議)
一般社団法人及び一般財団法人に関する法律等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律
89条4項(定款の記載等に関する経過措置)
|