司法書士法人鈴木事務所の石井孝幸でございます。
平素は格別のご厚情を賜り、厚く御礼申し上げます。
また、これまで当事務所発行のメールマガジン「法務の窓」をご愛読いただき、重ねて御礼申し上げます。
当事務所のメールマガジン「法務の窓」では、これまで全28回にわたり、改正信託法に関する有用な情報を提供して参りましたが、本号より『一般社団法人および財団法人制度』についての解説を試みることといたします。引き続きご愛読のほど、よろしくお願い申し上げます。
本号では、「新しい一般社団・財団法人制度の全体像」について解説していきます。
1.新しい一般社団・財団法人制度誕生の背景
現行の社団・財団法人制度は、明治29年に制定された民法を根拠法としており、制定以来100年以上もの間、抜本的な見直しがなされることなく、現在に至っております。その間に社会のニーズは多様化し、従来の社団・財団法人に関して以下のような問題点が指摘されるようになりました。
- 社団・財団法人設立に必要な許可基準があいまいで、主務官庁の裁量範囲が広く、設立が簡便でない。
- 社団・財団法人設立に必要とされる公益性の判断基準が不明確である。
- いったん設立が許可されてしまえば、その後公益性を喪失しても、社団・財団法人として存続し続けることが可能である。
- 社団・財団法人のディスクロージャー(情報開示)が不十分である。
- 社団・財団法人のガバナンス(管理運営)に問題がある。
これらの問題点を解決すべく、2006年6月2日、公益法人制度改革関連3法が公布され、2008年12月1日から新しい一般社団・財団法人制度がスタートすることとなりました。
2.新しい一般社団・財団法人制度の柱
新しい一般社団・財産法人制度は、以下の考え方から立法されております。
随所にこの考え方が貫かれておりますので、いつも頭の片隅に置いておいて下さい。
- 法人格の取得手続と公益性の判断手続とを分離する。
- 設立には準則主義を採用し、登記だけで簡便に設立できるようにする。
- 一定の要件を満たすものを、公益性を有する非営利法人とし、その公益性の有無については、新たな主体が、客観的基準に基づいて判断する仕組みを創設する。
- 法人の運営に関して、自律性、ディスクロージャーによる透明性、ガバナンスの強化をはかるために必要な規律の確保を図る。
これらの考え方が、どのような形で具体化されているのかについて、次号より解説して参ります。どうぞ、ご期待下さい。