決算法務手続

第5次医療法改正に伴い、平成19年4月1日以降に始まる会計年度(すなわち平成20年3月31日以降決算を迎える医療法人)については、決算届出書類等に変更があるばかりでなく、都道府県に提出した書類について、だれでも閲覧請求ができるようになるなどの改正がなされています。
つきましては、医療法改正後の決算に関連して行う法務手続について留意すべき実務に関する情報を提供させていただきます。

決算法務手続

(1)事業報告書の作成・提出(新設)

医療法人は、毎会計年度終了後2か月以内に、事業報告書等を作成し、理事は事業報告書等を監事に提出しなければなりません。

(2)監査報告の作成・提出(新設)

監事は、事業報告書等の書類を受けて、当該会計年度終了後3か月以内に監査報告書を作成し、社員総会又は、理事に提出しなければなりません。

(3)定時社員総会の開催

定款によって定められた時期に開催し、決算の決定、役員の改選(任期満了となる年)等を行います。

(4)都道府県知事への届出

医療法人は、毎会計年度終了後3か月以内に事業報告書等および監査報告書を都道府県知事に届け出なければなりません。

(5)資産総額の変更登記

医療法人は、毎年事業年度終了後2か月以内に財産目録に記載された資産の総額を登記します。また、登記完了後には、都道府県知事に対し登記完了の届出を行う必要があります。

※ 役員の任期が満了となる場合は、理事長の変更(重任)登記および役員変更(重任)の届出も併せて必要となります。

事業報告書の届出・閲覧

(1)事業報告書等の内容

  1. 財産目録
  2. 貸借対照表
  3. 損益計算書
  4. 事業報告書 (※)
  5. 監事監査報告書 (※)

※ 医療法の改正に伴い新たに作成することとなった書類です。

(2)都道府県での閲覧

都道府県知事は、届出された事業報告書等や定款について、請求があった場合には、これを閲覧に供しなければならないとされています。
これにより、医療法人が都道府県に提出した書類はだれでも閲覧することができるようになりました。今後医療法人が作成・提出する書類について、一層の配慮が必要となります。

(3)罰則

医療法の規定に違反して登記、届出等を怠りますと過料や行政処分の対象となり、最悪の場合、設立認可を取り消される場合がございます。

当事務所の対応

当事務所では、決算法務手続について、以下のサービスを提供いたします。

(1)書類作成

  1. 事業報告書・監査報告書・定時社員総会議事録
  2. 資産総額の変更登記関係書類
  3. 理事長の変更登記関係書類 (※)
  4. 役員変更届出関係書類 (※)
  5. 登記完了届出関係書類

※ 役員の任期が満了となる場合に必要となります。

(2)申請手続代行

決算届出・役員変更届出の申請手続を代行し、その後の所轄庁との対応をいたします。

(3)登記申請手続

必要な登記申請を行い、登記完了後の届出をいたします。

(4)相談・助言

決算法務手続やその他法務関連のご相談を承り、アドバイスをいたします。

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